「商業登記のデジタル完結/完全オンライン申請の実務~完全オンライン申請への第一歩~」大阪司法書士会北支部の研修講師をしました

大阪司法書士会北支部から僭越ながらオファーを受け、2025年11月14日、研修会の講師を努めました。テーマは「商業登記のデジタル完結/完全オンライン申請の実務」。70名キャパで早々に満員御礼だったようで恐縮です。

前回同様、商業登記の完全オンライン申請への切替えではなく、特例(別送)方式から、添付情報の一部オンライン、一部書面提出(「ハイブリッド」と勝手に名付ける)への緩やかな移行を目指し、具体的な業務の流れに沿って必要最低限の知識を構成した内容にしました(120分)。

2026年から商業登記電子証明書のリモート化が始まる過渡期において、どこまで旧式の商業登記電子証明書の概要・取得・署名・検証について触れるか苦慮しました。

概要について、2026年7月から導入される新・商業登記電子証明書は、GビズIDと連携したリモート方式が導入されます。個人のマイナポータルに相応する窓口として、事業者にGビズIDでログインするGビズポータルが開設され、事業者向けの行政手続きが集約されるとのことです。

Gビズポータル内の電子ロッカーで事業者・士業・行政機関のファイルのやり取りが可能になるようで、ファイルをアップロードしてここから電子署名を付与できるのではないかと推測しています。

商業登記電子証明書でのリモート電子署名を行うには、パスワードは不要となる替わりに、スマホに「GビズIDアプリ」をDLして、アプリでコード入力の必要性が生じます(「GビズIDアプリ」でのコード入力は代表のスマホのみか、担当者のスマホでも対応可となるかは要注目です)。

また、商業登記電子証明書取得時のSHINSEIファイル作成等の準備もローカルからポータルシステム(WEB)へと移管されます。これもGビズIDでログインするので、GビズIDがないと何も始まらない。

士業者から見て、総じて、使い勝手はよくなりそうな印象だが、制度開始当初のマイナカードのように、GビズIDの取得の手間が生じることが懸念事項です。国税庁の会社法人番号みたいに設立登記完了と同時に割当てればいいのですけどね🤔

変更点まとめ

旧・電子証明書
①電子署名:ローカル(PC)
「Adobe Acrobat」等
②認証:パスワード
③証明書取得:ローカル(PC)
「商業登記電子認証ソフト」
④ファイルやり取り:メール・チャット・クラウド等

新・電子証明書(2026年7月~)
①電子署名:クラウド(WEB)
「Gビズポータル」(「GビズID」でログイン)※ただし、ローカル署名アプリ(PC)も併存
②認証:スマホアプリ「GビズIDアプリ」
③証明書取得:クラウド(WEB)
「商業登記電子認証ポータルシステム」
④ファイルやり取り:「Gビズポータル」内「電子ロッカー」へ?

GビズIDの取得方法(動画)デジタル庁

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