本記事は、司法書士の視点から、法令・通達・登記実務並びに 法務省 および 金融庁 の公表資料・WEBサイト等を参照・引用のうえ作成・構成していますが、本記事は個別具体的な案件に対する法的助言その他専門的意見を提供するものではなく、本記事の利用・参照により生じたいかなる損害についても、当事務所は責任を負いかねます。
企業価値担保権の設定・登記その他具体的な対応については、案件ごとの事情に応じ、司法書士・弁護士その他の専門家へご相談ください。
企業価値担保権とは
2026年5月25日施行の事業性融資推進法により、「企業価値担保権」という新たな担保制度が創設されました。これは、不動産や在庫などの個別資産ではなく、企業の事業全体の価値を一体として担保化する制度であり、スタートアップ企業や無形資産中心の企業に対する資金調達手法として注目されています。本記事では、司法書士の視点から、企業価値担保権の登記制度について、法令・通達・法務省WEBサイトを中心に構成して、その概要を俯瞰します。


金融庁|企業価値担保権(旧:事業成長担保権)について「制度の概要」より

企業価値担保権(旧:事業成長担保権)について企業価値担保権の登記申請書(設定・移転・順位変更・表示変更・抹消)
(1) 企業価値担保権の設定の登記
- 申請人:企業価値担保権設定者(登記義務者)・企業価値担保権者(登記権利者)による共同申請
- 登記の目的:「企業価値担保権設定」
- 登記原因:「年月日企業価値担保権信託」
- 登録免許税:企業価値担保権1件につき3万円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(一))
企業価値担保権設定の登録免許税は定額であり1件30,000円企業価値担保権設定の司法書士登記報酬(YOSHIDA OFFICE)は、110,000円(税込)/件~参考:登録免許税法別表第1の6の2(一)

登記申請書記載例(企業価値担保権の設定)
<記載例>
*代理人が書面で企業価値担保権の設定の登記を申請する場合
登 記 申 請 書
企業価値担保権設定者の表示(注1)
商 号 株式会社○○○○
本 店 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
登記の目的 企業価値担保権設定
原 因 令和○年○月○日企業価値担保権信託
権 利 者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789011)
代表取締役 ○ ○ ○ ○(注2)
義 務 者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○○○
(会社法人等番号 1234-56-789012)
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印(注3)
添付情報
・印鑑証明書(注4)
・企業価値担保権信託契約に係る契約書の謄本(注5)
・会社法人等番号
・代理権限証明情報(注6)
登記済証を提出することができない理由(注7)
☑不交付 □滅失・紛失 □管理支障 □取引円滑障害 □その他( )
□登記所に印鑑を提出しています。(注8)
□登記済証の交付を希望しません。(注9)
令和○年○月○日申請 ○○ 法務局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)
代 理 人 ○○県○○市○○町○丁目○番○号(注10)
○ ○ ○ ○ 印
連絡先の電話番号00-0000-0000(注11)
登録免許税 金30,000円(注12)
<解説及び注意事項等>
(注1) 企業価値担保権を設定した者の名称及び本店の所在場所を記載
(注2) 登記権利者として、企業価値担保権者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
(注3) 登記義務者として、企業価値担保権を設定した者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
また、印鑑証明書と同じ印を押す必要がある
(注4) 申請書に記名押印した登記義務者の代表者の印鑑に関する証明書(作成後3か月以内のもの)を添付。なお、登記所に印鑑を提出している旨の申出がある場合は添付不要。
(注5) 登記原因証明情報(登記の原因となった事実又は法律行為及びこれに基づき現に権利変動が生じたことを証する情報)を添付。本事例の企業価値担保権の設定の場合は、企業価値担保権信託契約に係る契約書の謄本がこれに当たる
(注6) 登記申請に関する委任状(代理人の権限を証する情報)
(注7) 登記済証を提出できない理由を記載します。この記載例は企業価値担保権の設定の登記を申請する場合であるため、「不交付」にチェック
(注8) 登記済証を提出できない場合に、登記所に印鑑を提出していれば、□にチェック
(注9) 企業価値担保権者となる申請人が登記済証の交付を希望しない場合には、□にチェック
(注10)この記載例は、代理人が申請をする場合の記載。登記の申請の委任を受けた代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名を記載。この記載は、委任状の記載と一致している必要がある
(注11)申請書の記載内容等に補正すべき点がある場合に、登記所の担当者から連絡するための連絡先の電話番号(平日の日中に連絡を受けることができるもの。携帯電話の電話番号でも差し支えない)を記載
(注12)登録免許税額を記載。なお、登録免許税を現金納付する場合はその領収書を貼り付けた用紙を、収入印紙で納付する場合には収入印紙(割印や消印はしない)を貼り付けた用紙を、申請書と一括してつづり、申請人又はその代理人がつづり目に必ず契印をする(申請人が2人以上いる場合は、そのうちの1人が契印することで差し支えない)企業価値担保権信託契約等の書式例
企業価値担保権信託契約等の書式例は下記金融庁HPから書式例のダウンロードが可能です。
金融庁|「企業価値担保権信託契約等の書式例に関する勉強会 議事概要及び書式例」の公表についてhttps://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20260311/20260311.html
登記記録(企業価値担保権の設定の登記後)



(2) 企業価値担保権の移転の登記
- 合併による移転:合併後の法人からの単独申請
- 登録免許税:企業価値担保権1件につき6千円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(二))
登記申請書記載例(企業価値担保権の合併による移転)
<記載例>
*代理人が書面で合併による企業価値担保権の移転の登記を申請する場合
登 記 申 請 書
企業価値担保権設定者の表示(注1)
商 号 株式会社○○○○
本 店 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
登記の目的 ○番企業価値担保権移転(注2)
原 因 令和○年○月○日合併
権利者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789011)
代表取締役 ○ ○ ○ ○(注3)
添付情報
・登記原因証明情報(注4)
・会社法人等番号
・代理権限証明情報(注5)
□登記済証の交付を希望しません。(注6)
令和○年○月○日申請 ○○ 法務局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)
代理人 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
○ ○ ○ ○ 印
連絡先の電話番号00-0000-0000
登録免許税 金6,000円
<解説及び注意事項等>
(注1) 企業価値担保権を設定した者の名称及び本店の所在場所を記載
(注2) 順位番号(○番)を記載。記載する順位番号は企業価値担保権区の順位番号(登記済証、登記事項証明書等により確認)
(注3) 登記権利者である合併後の法人の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
(注4) 合併を証する登記官が職務上作成した情報を添付。具体的には、登記権利者である合併後の法人の登記事項証明書が該当
(注5) 登記申請に関する委任状(代理人の権限を証する情報)
(注6) 企業価値担保権者となる申請人が登記済証の交付を希望しない場合には、□にチェック登記記録(企業価値担保権の合併による移転の登記後)

- 受託者の変更による移転:変更前の受託会社(登記義務者)・承継受託会社(登記権利者)による共同申請
- 登録免許税:企業価値担保権1件につき6千円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(二))
登記申請書記載例(企業価値担保権の受託者変更による移転)
<記載例>
*代理人が書面で受託者の変更による企業価値担保権の移転の登記を申請する場合
登 記 申 請 書
企業価値担保権設定者の表示(注1)
商 号 株式会社○○○○
本 店 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
登記の目的 ○番企業価値担保権移転(注2)
原 因 令和○年○月○日受託者変更
権利者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789011)
代表取締役 ○ ○ ○ ○(注3)
義務者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789012)
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印(注4)
添付情報
・登記済証(注5)
・印鑑証明書(注6)
・登記原因証明情報(注7)
・会社法人等番号
・代理権限証明情報(注8)
登記済証を提供することができない理由(注9)
□不交付 □滅失・紛失 □管理支障 □取引円滑障害 □その他( )
□登記所に印鑑を提出しています。(注10)
□登記済証の交付を希望しません。(注11)
令和○年○月○日申請 ○○ 法務局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)
代理人 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
○ ○ ○ ○ 印
連絡先の電話番号00-0000-0000
登録免許税 金6,000円
<解説及び注意事項等>
(注1) 企業価値担保権を設定した者の名称及び本店の所在場所を記載
(注2) 順位番号(○番)を記載。記載する順位番号は企業価値担保権区の順位番号(登記済証、登記事項証明書等により御確認ください。)
(注3) 登記権利者として、変更後の受託者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
(注4) 登記義務者として、変更前の受託者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
また、登記済証を提出できない場合は、印鑑証明書と同じ印を押す必要がある
(注5) 変更前受託者の登記済証の原本を添付。なお、登記済証は登記完了後返却
(注6) 登記済証を提供することができない場合は、変更前受託者が申請書に押印した印鑑に関する印鑑証明書(作成後3か月以内のもの)を添付
(注7) 登記原因証明情報(登記の原因となった事実又は法律行為及びこれに基づき現に権利変動が生じたことを証する情報)を添付します。本事例の場合は、事業性融資の推進等に関する法律第68条に規定する契約書の謄本がこれに当たる
(注8) 登記申請に関する委任状(代理人の権限を証する情報)
(注9) 登記済証を提供することができない場合は、その理由の□にチェック。なお、登記済証を提供することができない場合は、様式の添付情報欄には、「登記済証」を書かない。
(注10)登記済証を提出できない場合に、登記所に印鑑を提出していれば、□にチェック
(注11)企業価値担保権者となる申請人が登記済証の交付を希望しない場合には、□にチェック登記記録(企業価値担保権の受託者変更による移転登記後)

(3) 企業価値担保権の変更の登記
- 順位の変更:合意を要する各企業価値担保権者による共同申請
- 登録免許税:順位の変更は企業価値担保権1件につき6千円、名称・住所変更は申請件数1件につき6千円
登記申請書記載例(企業価値担保権の順位変更)
<記載例>
*代理人が書面で企業価値担保権の順位の変更の登記を申請する場合
登 記 申 請 書
企業価値担保権設定者の表示(注1)
商 号 株式会社○○○○
本 店 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
登記の目的 ○番・○番順位変更(注2)
原因 令和○年○月○日合意
企業価値担保権者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789011)
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印(注3)
○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789012)
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印(注3)
添付情報
・登記済証(注4)
・印鑑証明書(注5)
・登記原因証明情報(注6)
・全ての特定被担保債権者が同意したことを証する情報(注7)
・会社法人等番号
・代理権限証明情報(注8)
登記済証を提出することができない理由(注9)
□不交付 □滅失・紛失 □管理支障 □取引円滑障害 □その他( )
□登記所に印鑑を提出しています。(注10)
令和○年○月○日申請 ○○ 法務局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)
代理人 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
○ ○ ○ ○ 印
連絡先の電話番号00-0000-0000
登録免許税 金6,000円
<解説及び注意事項等>
(注1) 企業価値担保権を設定した者の名称及び本店の所在場所を記載
(注2) 順位番号(○番)を記載。記載する順位番号は企業価値担保権区の順位番号(登記済証、登記事項証明書等により確認)
(注3) 順位変更に関係する各企業価値担保権者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
また、登記済証を提出できない場合は、印鑑証明書と同じ印を押す必要がある
(注4) 順位変更に関係する各企業価値担保権者全員の登記済証の原本を添付。なお、登記済証は登記完了後返却
(注5) 登記済証を提出できない場合は、各企業価値担保権者が申請書に押印した印鑑に関する印鑑証明書(作成後3か月以内のもの)を添付。なお、登記所に印鑑を提出している旨の申出がある場合は添付不要
(注6) 登記原因証明情報(登記の原因となった事実又は法律行為及びこれに基づき現に権利変動が生じたことを証する情報)を添付。本事例の場合は、順位の変更の合意を証する情報がこれに当たる
(注7) 企業価値担保権信託契約に別段の定めがある場合を除き、各企業価値担保権信託契約における受益者である全ての特定被担保債権者が同意したことを証する情報が必要
(注8) 登記申請に関する委任状(代理人の権限を証する情報)
(注9) 登記済証を提供することができない場合は、その理由の□にチェック。なお、登記済証を提供することができない場合は、様式の添付情報欄には、「登記済証」を書かない
(注10)登記済証を提出できない場合に、登記所に印鑑を提出していれば、□にチェック登記記録(企業価値担保権の順位変更の登記後)

- 企業価値担保権者の名称又は住所の変更:企業価値担保権者の単独申請
- 登録免許税:順位の変更は企業価値担保権1件につき6千円、名称・住所変更は申請件数1件につき6千円
登記申請書記載例(企業価値担保権の表示変更)
<記載例>
*代理人が書面で企業価値担保権者の表示変更の登記を申請する場合
登 記 申 請 書
企業価値担保権設定者の表示(注1)
商 号 株式会社○○○○
本 店 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
登記の目的 ○番企業価値担保権者表示変更(注2)
原因 令和○年○月○日本店移転
企業価値担保権者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789011)
代表取締役 ○ ○ ○ ○(注3)
添付情報
・登記原因証明情報(注4)
・会社法人等番号
・代理権限証明情報(注5)
令和○年○月○日申請 ○○ 法務局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)
代理人 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
○ ○ ○ ○ 印
連絡先の電話番号00-0000-0000
登録免許税 金6,000円
<解説及び注意事項等>
(注1) 企業価値担保権を設定した者の名称及び本店の所在場所を記載
(注2) 順位番号(○番)を記載します。記載する順位番号は企業価値担保権区の順位番号(登記済証、登記事項証明書等により確認)
(注3) 企業価値担保権者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
(注4) 企業価値担保権者の名称又は住所について変更があったことを証する登記官その他の公務員が職務上作成した情報を添付。具体的には、企業価値担保権者の名称又は住所の変更に係る登記後の登記事項証明書がこれに当たる。
(注5) 登記申請に関する委任状(代理人の権限を証する情報)(4) 企業価値担保権の消滅の登記(抹消)
- 申請人:企業価値担保権者(登記義務者)・企業価値担保権設定者(登記権利者)による共同申請
- 登記の目的:「何番企業価値担保権抹消」
- 登記原因:「年月日弁済」等
- 登録免許税:申請情報1件につき6千円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(六))
登記申請書記載例(企業価値担保権の抹消)
<記載例>
*代理人が書面で企業価値担保権の抹消の登記を申請する場合
登 記 申 請 書
企業価値担保権設定者の表示(注1)
商 号 株式会社○○○○
本 店 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
登記の目的 ○番企業価値担保権抹消(注2)
原 因 令和○年○月○日解除(又は「弁済」等)
権利者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○○○
(会社法人等番号 1234-56-789012)
代表取締役 ○ ○ ○ ○(注3)
義務者 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
株式会社○○信託銀行
(会社法人等番号 1234-56-789011)
代表取締役 ○ ○ ○ ○ 印(注4)
添付情報
・登記済証(注5)
・印鑑証明書(注6)
・登記原因証明情報(注7)
・会社法人等番号
・代理権限証明情報(注8)
登記済証を提出することができない理由(注9)
□不交付 □滅失・紛失 □管理支障 □取引円滑障害 □その他( )
□登記所に印鑑を提出しています。(注10)
令和○年○月○日申請 ○○ 法務局(又は地方法務局)○○支局(又は出張所)
代理人 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
○ ○ ○ ○ 印
連絡先の電話番号00-0000-0000
登録免許税 金6,000円
<解説及び注意事項等>
(注1) 企業価値担保権を設定した者の名称及び本店の所在場所を記載
(注2) 順位番号(○番)を記載します。記載する順位番号は企業価値担保権区の順位番号(登記済証、登記事項証明書等により確認)
(注3) 登記権利者として、企業価値担保権を設定した者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
(注4) 登記義務者として、企業価値担保権者の本店の所在場所、名称、会社法人等番号及び代表者の氏名を記載
また、登記済証を提出できない場合は、印鑑証明書と同じ印を押す必要がある
(注5) 企業価値担保権者の登記済証の原本を添付。なお、登記済証は登記完了後返却
(注6) 登記済証を提出できない場合は、申請書に記名押印した登記義務者(企業価値担保権者)の代表者の印鑑に関する証明書(作成後3か月以内のもの)を添付。なお、登記所に印鑑を提出している旨の申出がある場合は添付不要
(注7) 登記原因証明情報(登記の原因となった事実又は法律行為及びこれに基づき現に権利変動が生じたことを証する情報)を添付。本事例の企業価値担保権の抹消の場合は、企業価値担保権者が作成した解除証書等がこれに当たる
(注8) 登記申請に関する委任状(代理人の権限を証する情報)
(注9) 登記済証を提出できない場合は、その理由の□にチェック。なお、登記済証を提出できない場合は、様式の添付情報欄には、「登記済証」を書かない。
(注10)登記済証を提出できない場合に、登記所に印鑑を提出していれば、□にチェック登記記録(企業価値担保権の抹消登記後)

(5) 嘱託による登記(実行手続関連)
企業価値担保権の実行手続に関する登記は非課税(法第194条)。
- 実行手続開始の登記:裁判所書記官が職権で遅滞なく嘱託
- 管財人情報の変更登記:同上
- 実行手続開始の決定の取消しの登記:同上
- 実行手続廃止及び企業価値担保権消滅の登記:同上
- 実行手続開始の申立ての取下げによる実行手続開始登記の抹消:同上
- 実行手続終結及び企業価値担保権消滅の登記:同上
登記記録(企業価値担保権の実行の登記後)

企業価値担保権に関する登記の事務の取扱いについて(通達)
法務省民商第68号 令和8年4月3日 法務省民事局長
通達の趣旨
事業性融資の推進等に関する法律(令和6年法律第52号。以下「法」という。)、事業性融資の推進等に関する法律施行令(令和7年政令第243号。以下「令」という。)及び企業価値担保登記規則(令和8年法務省令第25号。以下「規則」という。)が本年5月25日から施行されます。これに伴う企業価値担保権の登記及び企業価値担保権の実行手続に関する登記(以下「企業価値担保権に関する登記」と総称する。)の事務の取扱いについては、下記の点に留意するよう、貴管下登記官に周知方お取り計らい願います。
第1 本通達の趣旨
本通達は、法等の施行に伴う企業価値担保権の創設等に関し、企業価値担保権に関する登記の事務の取扱いにおいて留意すべき事項を明らかにしたものである。
第2 企業価値担保権
1 用語の定義
(1) 企業価値担保権 企業価値担保権信託会社(後記(3)参照)を権利者とし、会社の総財産(将来会社に属する財産を含む。)を一体としてその目的とし、会社に対する特定被担保債権(後記(5)参照)及び不特定被担保債権(後記(6)参照)を被担保債権として設定される担保物権(法第7条、第8条第2項第2号)
(2) 債務者 企業価値担保権の被担保債権の債務者である会社(株式会社、合名会社、合資会社及び合同会社)(法第2条第2項、第6条第1項)
(3) 企業価値担保権信託会社 法第32条の内閣総理大臣の免許を受けた者(法第33条第1項又は第2項の規定により当該免許を受けたものとみなされた者を含む。)(法第6条第2項)
(4) 企業価値担保権信託契約 債務者と企業価値担保権信託会社との間で締結される信託契約であって、債務者を委託者とし、企業価値担保権信託会社を受託者とするもの(同条第3項)
(5) 特定被担保債権 対象債権(企業価値担保権信託契約により定められた特定の債権又は一定の範囲に属する不特定の債権(債務者との特定の継続的取引契約によって生ずるものその他債務者との一定の種類の取引によって生ずるものに限る。))等の財産上の請求権(同条第4項)
(6) 不特定被担保債権 債務者が破産手続開始決定を受けたとき等における当該債務者に対する財産上の請求権であって、破産財団等から弁済又は配当を受けることができるもの(企業価値担保権の実行手続終結の決定があるまでに弁済又は配当を受けるものを除く。)(同条第5項)
(7) 特定被担保債権者 特定被担保債権に係る企業価値担保権信託契約に基づく信託の受益者(同条第6項)
(8) 不特定被担保債権者 不特定被担保債権を有する企業価値担保権信託契約に基づく信託の受益者(同条第7項)
(9) 担保目的財産 企業価値担保権の目的である財産(同条第8項)
(10) 不特定被担保債権留保額 債務者について行われ、又は行われるべき清算手続又は破産手続の公正な実施に要すると見込まれる額として令第2条で定めるところにより算定した額(裁判所が当該清算手続又は破産手続の公正な実施に特に必要と認める場合にあっては、これに当該裁判所が定める額を加えた額)(法第8条第2項第1号ハ)
2 企業価値担保権の成立要件
(1) 企業価値担保権の設定 企業価値担保権の設定は、委託者を債務者、受益者を特定被担保債権者及び不特定被担保債権者、受託者を金融庁の監督下に置かれる企業価値担保権信託会社、信託財産を企業価値担保権とする信託契約によらなければならないとされた(法第8条第1項)。
また、債務者が企業価値担保権の設定をするには、法第10条各号に定める決定又は決議によらなければならないとされた(ただし、同条第1号又は第5号に掲げる債務者の定款に別段の定めがあるときは、その定めによる。)。
(2) 企業価値担保権信託契約 企業価値担保権信託契約は、次に掲げる事項をその内容とするものでなければ、その効力を生じないとされた(法第8条第2項)。
ア 信託の目的が、企業価値担保権信託会社が次に掲げる行為をするものであること(同項第1号)。
- (ア) 企業価値担保権の管理及び処分をすること。
- (イ) 特定被担保債権者のために、企業価値担保権の実行手続において、配当可能額から不特定被担保債権留保額を控除した額を限度として金銭の配当を受け、これを管理・処分すること。
- (ウ) 不特定被担保債権者のために、不特定被担保債権留保額の金銭の配当を受け、これを管理・処分すること。
イ 特定被担保債権及び不特定被担保債権を担保するために企業価値担保権信託会社を企業価値担保権者として企業価値担保権を設定すること(同項第2号)。
ウ 特定被担保債権の範囲を定めていること(同項第3号)。
エ 特定被担保債権を有し、又は有すべき者を受益者として指定すること(同項第4号)。
オ 不特定被担保債権を有する者を受益者とすること(同項第5号)。
カ 企業価値担保権が消滅する前に企業価値担保権信託契約に係る信託が終了した場合の信託法(平成18年法律第108号)第182条第1項第2号に規定する帰属権利者を債務者とすること(同項第6号)。
3 企業価値担保権の効力発生要件
企業価値担保権の得喪及び変更は、債務者の本店の所在地において、商業登記簿にその登記をしなければ、その効力を生じないとされた(法第15条)。
筆者注:登記が効力発生要件となる4 企業価値担保権の順位
既に企業価値担保権が設定されている担保目的財産に対して、他の企業価値担保権を設定することが可能であるところ、同一の債務者の総財産に対して複数の企業価値担保権が設定されている場合に、企業価値担保権同士の優先弁済権の競合を調整するため、その順位は登記の前後によるものとされた(法第16条)。
(1) 企業価値担保権の順位の変更 企業価値担保権の順位は、各企業価値担保権者の合意によって変更することができるとされ(法第17条第1項)、その合意をするには、各企業価値担保権者が、各企業価値担保権信託契約における受益者である全ての特定被担保債権者の同意を得ることとされた(ただし、企業価値担保権信託契約に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。)(同条第2項)。
また、企業価値担保権の順位の変更は、その登記をしなければ、効力を生じないとされた(同条第3項)。
(2) 他の権利との関係 他の担保権(先取特権、質権及び抵当権)と企業価値担保権の優劣関係については、他の担保権に係る登記や登録等の対抗要件の具備と、企業価値担保権に係る登記の前後によるとされた(法第18条第1項)。
(3) 付記登記の順位 付記登記(企業価値担保権に関する登記のうち、既にされた企業価値担保権に関する登記についてする登記であって、当該既にされた企業価値担保権に関する登記を変更し、若しくは更正し、又はこれを移転するもので当該既にされた企業価値担保権に関する登記と一体のものとして公示する必要があるものをいう。以下同じ。)の順位は主登記(付記登記の対象となる既にされた企業価値担保権に関する登記をいう。以下同じ。)の順位により、同一の主登記に係る付記登記の順位はその前後によるとされた(法第220条)。
5 企業価値担保権の承継の制限
企業価値担保権の承継は、受託者としての権利義務の承継とともにしなければならないとされた(法第23条)。
6 債務者の合併による企業価値担保権の効力
合併により消滅する債務者の総財産を目的とする企業価値担保権は、合併後存続する会社又は合併により設立される会社の総財産につき、効力を有するとされた(法第25条第3項)。
7 債務者の会社分割
債務者は、企業価値担保権が担保する特定被担保債権に係る債務を会社分割により承継させることができないとされた(法第26条第2項)。
8 企業価値担保権の消滅
特定被担保債権の元本の確定後において、特定被担保債権の全部が消滅したときは、企業価値担保権も、消滅するとされた(法第30条)。
また、企業価値担保権は、債務者に対しては、その担保する特定被担保債権と同時でなければ、時効によって消滅しないとされた(法第31条)。
第3 企業価値担保権に関する登記に係る通則
1 管轄登記所
企業価値担保権に関する登記の事務は、企業価値担保権を設定する債務者である会社の登記の事務をその本店所在地においてつかさどる登記所が管轄登記所としてつかさどるとされた(法第216条)。
なお、債務者である会社の本店所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が、具体的な管轄登記所となる(商業登記法(昭和38年法律第125号)第1条の3)。
筆者注:登記管轄は、債務者の会社の本店ベース2 登記事務取扱者
企業価値担保権に関する登記の事務は、商業登記の事務を取り扱う者が取り扱うとされた(法第217条)。
なお、商業登記の事務を取り扱うのは、登記官(登記所に勤務する法務事務官のうちから、法務局又は地方法務局の長が指定する者をいう。以下同じ。)である(商業登記法第4条)。
3 登記簿
企業価値担保権に関する登記は、企業価値担保権を設定する債務者の登記簿にするとされた(法第218条)。
また、企業価値担保権に関する登記は、商業登記の登記記録中、新設する企業価値担保権区(規則附則第4条による改正後の商業登記規則(昭和39年法務省令第23号。以下「商登規則」という。)別表第5から別表第8まで)にされるとされ、当該区に記録した順序に従い、順位番号を記録するほか、企業価値担保権に関する登記についての登記事項を記録し、同順位の場合は識別符号を記録するとされた(規則第1条から第3条まで)。
筆者注:企業価値担保権は商業登記簿に記録される筆者注:企業価値担保権は順位番号が記録される(複数の企業価値担保権の設定が可能)4 登記事項
企業価値担保権の登記事項は、以下のとおりとされた(法第223条において準用する不動産登記法(平成16年法律第123号。以下「準用不登法」という。)第59条、規則第2条及び第3条、規則第13条において準用する不動産登記規則(平成17年法務省令第18号。以下「準用不登規則」という。)第148条)。
(1) 登記の目的
(2) 申請の受付の年月日及び受付番号
(3) 登記原因及びその日付
(4) 企業価値担保権者の名称及び本店の所在場所
(5) 企業価値担保権の消滅に関する定めがあるときは、その定め
(6) 民法(明治29年法律第89号)第423条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請した者があるときは、当該代位者の氏名又は名称及び住所並びに代位原因
(7) 権利の順位を明らかにするために必要な以下の事項
ア 順位番号
イ 同順位である2以上の権利に関する登記をするときは、順位番号に付された当該登記を識別するための符号
ウ 付記登記の順位番号を記録するときは、主登記の順位番号に付加する付記何号
第4 登記申請の手続
1 登記申請の通則
(1) 申請人等
ア 企業価値担保権の登記
企業価値担保権の登記は、法令に別段の定めがある場合を除き、登記権利者(準用不登法第2条第12号)及び登記義務者(同条第13号)が共同して申請すべきこととされた(準用不登法第60条)。
筆者注:共同申請となるなお、申請当事者の一方に登記手続をすべきことを命ずる確定判決による登記の場合若しくは法人の合併を原因とする移転登記の場合(準用不登法第63条)又は企業価値担保権者の名称等の変更・更正の登記の場合(準用不登法第64条)は、共同申請主義の例外として、単独申請が認められる。
イ 企業価値担保権の順位の変更の登記
企業価値担保権の順位の変更の登記の申請は、順位を変更する当該企業価値担保権の企業価値担保権者が共同してしなければならないとされた(準用不登法第89条)。
ウ 登記の嘱託
裁判所書記官は、企業価値担保権の実行手続開始の決定があった場合(法第193条第1項及び第2項)、管財人の情報についての変更が生じた場合(同条第3項第1号)、実行手続開始の決定の取消しの決定が確定した場合(同項第2号)、実行手続廃止の決定が確定した場合(同項第3号)、実行手続開始の申立てが取り下げられた場合(同項第4号)、実行手続終結の決定があった場合(同項第5号)について、債務者の本店の所在地の登記所にそれぞれ登記を嘱託することとされた。
(2) 申請等の方法
登記の申請又は嘱託は、企業価値担保権設定者(債務者)を識別するために必要な事項、申請人の氏名若しくは名称及び住所又は嘱託者の氏名、登記の目的その他の登記の申請又は嘱託に必要な事項として令第14条で定める情報(以下「申請情報等」という。)を電子情報処理組織を使用する方法(以下「オンライン申請」という。)又は書面(申請情報等の全部又は一部を記録した磁気ディスクを含む。)を提出する方法(以下「書面申請」という。)により登記所に提供してしなければならないとされた(準用不登法第18条、第16条)。
なお、オンライン申請については、法附則第26条第1項において準用する不動産登記法附則第6条第1項の規定による指定(以下「第6条指定」という。)を受けた登記所においてすることができるとされた。
また、書面を提出する方法のうち磁気ディスクを提出する方法については、法務大臣が告示で指定した登記所においてすることができるとされた(準用不登規則第51条)。
このため、これらの指定を受けるまでの間は、申請又は嘱託の方法は書面(申請情報等の全部又は一部を記録した磁気ディスクを除く。)を提出する方法(以下「書面申請」という。)に限定されることとなる。
筆者注:2026年5月25日時点では書面申請のみでオンライン不可(法務大臣指定の登記所がないため)
(3) 一括申請
企業価値担保権の登記と商業登記については、一括申請を認める規定は設けられていないことから、同一の申請書で一括申請することはできない。
筆者注:企業価値担保権は商業登記簿に記録されるものの、商業登記と一括申請はできない(4) 申請情報等
企業価値担保権の登記の申請をする場合又は企業価値担保権の実行手続に関する登記の嘱託をする場合に登記所に提供しなければならない申請情報等は、以下のとおりである(令第14条)。
ア 申請人の氏名若しくは名称及び住所又は嘱託者の氏名 イ 申請人が法人であるときは、その代表者の氏名 ウ 代理人によって登記を申請するときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名 エ 民法第423条その他の法令の規定により他人に代わって登記を申請するときは、申請人が代位者である旨、当該他人の名称及び住所並びに代位原因 オ 登記の目的 カ 登記原因及びその日付 キ 企業価値担保権設定者の名称及びその本店の所在場所 (以下省略)
2 各登記の申請又は嘱託
(1) 企業価値担保権の設定の登記
- 申請人:企業価値担保権設定者(登記義務者)・企業価値担保権者(登記権利者)による共同申請
- 登記の目的:「企業価値担保権設定」
- 登記原因:「年月日企業価値担保権信託」
- 登録免許税:企業価値担保権1件につき3万円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(一))
(2) 企業価値担保権の移転の登記
- 合併による移転:合併後の法人からの単独申請
- 受託者の変更による移転:変更前の受託会社(登記義務者)・承継受託会社(登記権利者)による共同申請
- 登録免許税:企業価値担保権1件につき6千円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(二))
(3) 企業価値担保権の変更の登記
- 順位の変更:合意を要する各企業価値担保権者による共同申請
- 企業価値担保権者の名称又は住所の変更:企業価値担保権者の単独申請
- 登録免許税:順位の変更は企業価値担保権1件につき6千円、名称・住所変更は申請件数1件につき6千円
(4) 企業価値担保権の消滅の登記(抹消)
- 申請人:企業価値担保権者(登記義務者)・企業価値担保権設定者(登記権利者)による共同申請
- 登記の目的:「何番企業価値担保権抹消」
- 登記原因:「年月日弁済」等
- 登録免許税:申請情報1件につき6千円(登録免許税法第9条、別表第1の6の2(六))
(5) 嘱託による登記(実行手続関連)
企業価値担保権の実行手続に関する登記は非課税(法第194条)。
- 実行手続開始の登記:裁判所書記官が職権で遅滞なく嘱託
- 管財人情報の変更登記:同上
- 実行手続開始の決定の取消しの登記:同上
- 実行手続廃止及び企業価値担保権消滅の登記:同上
- 実行手続開始の申立ての取下げによる実行手続開始登記の抹消:同上
- 実行手続終結及び企業価値担保権消滅の登記:同上
第5 登記所における事務処理
1 受付
登記官は申請の受付をしたときは、当該申請に受付番号を付すとされ(準用不登法第19条第3項)、同一の会社(債務者)に関する企業価値担保権の登記の申請が2以上あったときは、受付番号の順序に従って登記を行うとされた(準用不登法第20条)。
2 本人確認
登記官は、申請人以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、本人確認のための調査を行うとされた(準用不登法第24条)。
3 申請の却下
登記官は一定の場合に、理由を付した決定で登記の申請を却下しなければならない(準用不登法第25条)。
4 申請の取下げ
申請の取下げは、書面申請にあっては、申請を取り下げる旨の情報を記載した書面を登記所に提出する方法によらなければならないとされた(準用不登規則第39条第1項第2号)。
5 登記識別情報の通知
登記官は、登記によって企業価値担保権者となる場合に、その登記が完了したときは、当該申請人に対して、当該登記に係る登記識別情報を通知しなければならないとされた(準用不登法第21条)。
6 登記完了証
登記完了証は別記第1号様式より作成する。なお、第6条指定がされるまでの間は、登記完了証は登記識別情報を通知する機能も有するものとして交付される。
第6 帳簿等
登記所においては、受付帳(登記識別情報に関する証明に係るもの等)、申請書類つづり込み帳、各種通知簿、登記識別情報失効申出書類つづり込み帳目録、請求書類つづり込み帳目録、登記識別情報通知書交付簿、登記済証交付帳等を備えるとされた。
第7 企業価値担保権の登記がされている会社が合併する場合の商業登記に関する事務の取扱い
1 合併の登記における添付書面の特則
企業価値担保権者全員(総財産が企業価値担保権の目的となっている双方の債務者に係る全ての企業価値担保権者等)の間で合意が整わない限り合併することができないとされた(法第25条第5項)。当該合意を証する書面を添付しなければならない(法第122条)。
2 企業価値担保権の登記の移記
登記官は、会社の合併による変更又は設立の登記をする場合において、合併により消滅する会社の登記簿に企業価値担保権の登記があるときは、職権で合併後存続する会社又は合併により設立される会社の登記簿に企業価値担保権の登記を移記しなければならないとされた(法第222条)。
第8 経過措置
1 登記済証について
企業価値担保権に関する登記の申請手続は、第6条指定がされるまでの間は書面申請のみとなる。この間は登記識別情報の代わりに登記済証を交付する。
2 登記済証の提供に代わる措置
登記済証の提供に代わる措置については、印鑑に関する証明書を添付する措置又は登記所に印鑑を提出している旨を申し出る措置を講ずるとされた。
第9 不動産登記事務取扱手続準則の適用
企業価値担保権に関する登記事務は、第2から第6まで、第8及び第10によるほか、不動産登記準則に準じて取り扱うものとする。
第10 登記の記録
企業価値担保権に関する登記の記録は、別紙の振り合いによる。
(別紙:各種登記記録例省略)
参照条文:事業性融資の推進等に関する法律(令和6年法律第52号)、事業性融資の推進等に関する法律施行令(令和7年政令第243号)、企業価値担保登記規則(令和8年法務省令第25号)、商業登記法(昭和38年法律第125号)、不動産登記法(平成16年法律第123号)、登録免許税法(昭和42年法律第35号)
参照URL:
法務局|企業価値担保権の登記に係る申請の方法、申請書様式について
https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/page8_000001_00025.html

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