令和2年12月21日、規制改革推進会議が開かれ、これまでの進捗の確認と2021年以降の取り組みの指針が示されました。そのなかで、書面・押印・対面の見直し施策の一貫として、各府庁による「個別分野におけるオンライン利用率の大胆な引上げ」が掲げられました。
手続件数が特に多いものや事業者からの要望が強いものなどから旗艦的なものとして、下記の 28 事業が選定されています。
<取組対象>
当面の規制改革の実施事項(案)より抜粋 https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/coremeeting/20201221/agenda.html
・児童手当の受給資格及び所得に関する現況の届出(内閣府)
・道路使用許可の申請(警察庁)
・自動車の保管場所証明の申請(警察庁)
・免許証の再交付の申請(警察庁)
・役員又は主要株主の売買報告書の提出(金融庁)
・少額短期保険募集人の役員又は使用人の届出、少額短期保険募集人の役員又は使用人の届出事項の変更届出(金融庁)
・電子入札、電子契約(総務省)
・中小法人における法人住民税・法人事業税の申告手続(総務省)
・自動車税関連手続(総務省)
・在留申請関連手続(法務省)
・商業・法人登記関連手続(法務省)
・不動産登記関連手続(法務省)
・国税申告手続(法人税・消費税(法人))(財務省)
・国税納付手続(財務省)
・就学支援金受給資格認定の申請(文部科学省)
・保護者等収入状況の届出(文部科学省)
・厚生年金保険関連手続(厚生労働省)
・雇用保険関連手続(厚生労働省)
・求人の申込み(職業安定法)(厚生労働省)
・営業許可の申請等(食品衛生法)(厚生労働省)
・農林水産省所管の全行政手続(共通申請サービス(eMAFF))(農林水産省)
・経営力向上計画の申請等(経済産業省)
・中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)及び小規模企業共済(経済産業省)
・建設業の許可、経営事項審査に係る手続(国土交通省)
・自動車の新規登録・変更・移転・抹消登録(国土交通省)
・建築基準法に基づく建築確認、建築設備・昇降機等の定期検査の結果の報告、大臣認定手続のオンライン化(国土交通省)
・産業廃棄物のマニフェスト制度(環境省)
・犬と猫のマイクロチップ情報登録(環境省)
『各府省は、基本計画に従い、オンライン利用率が初期のフェーズにあるものは少なくとも 20%以上を目指し、中程度のフェーズにあるものは概ね 50%以上を目指し、終盤のフェーズにあるものは 100%を視野に入れて取り組む。』とのことです。
ちなみに、上記の対象事業とされる「商業・法人登記関連手続」のオンライン利用率は、下掲図表のとおり、1%にも満たない極めて低い数値です(2018年10月実績、本人申請の場合)。役員変更登記のオンライン申請率0.0%て…、前年から減ってるし。
令和3年2月15日には、商業登記法第20条削除(印鑑届出義務廃止)や商業登記規則第102条第6項削除(オンライン申請に使える電子証明書種類の拡大)が予定されており、今後の商業・法人登記のオンライン利用率の拡大には期待したいところです。
手っ取り早く書面申請を廃止してオンライン申請に一本化すればいいだけのような気もしますが。